心理学用語

リマ症候群

リマ症候群とは、誘拐犯や監禁犯に対して、被害者側が好意や共感を抱く心理状態です。ストックホルム症候群の逆とも言えます。

リマ症候群は、1996年にペルーで発生した日本大使公邸人質事件で初めて報告されました。この事件では、左翼ゲリラ組織「モジャメード」が日本大使館を占拠し、72人の人質を70日間拘束しました。人質の中には、日本大使やその家族、ジャーナリスト、外交官など、様々な職業の人がいました。

ゲリラは人質に対して、食事や睡眠、トイレなどの基本的な生活条件は提供していました。また、人質と話をしたり、ゲームをしたり、歌を歌ったりして、人質をなるべく楽しませようとしました。人質の中には、ゲリラに共感したり、助けになりたいと思う人もいました。

最終的に、人質は解放されましたが、一部の人質はゲリラに同情を抱き続けました。この現象がリマ症候群と呼ばれています。

リマ症候群は、人質が危険な状況に陥った時に、生き残るために発動する一種の防御反応です。人質は、ゲリラに好意や共感を抱くことによって、自分を守ろうとしています。また、ゲリラに同情することで、自分を人質ではなく、友人や家族のように扱ってもらえるように期待しているのかもしれません。

リマ症候群は、人質だけでなく、監禁された人や、DVや虐待を受けた人にも見られることがあります。これらの人は、加害者から逃げ出したり、反撃したりすることができない状況に陥っています。そのため、生き残るために、加害者に好意や共感を抱くようになってしまいます。

リマ症候群は、被害者にとって、非常に辛い経験です。しかし、この現象は、被害者が生き残るための一種の防御反応であることを理解することが大切です。また、リマ症候群の被害者は、専門家のサポートを受けることで、克服することができます。

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リマ症候群とは何? わかりやすく解説 Weblio辞書


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