
ブルース効果
ブルース効果(ブルースこうか)とは、妊娠している雌マウスが交尾相手ではない別の系統の雄マウスと接触すると、流産を引き起こす現象です。1959年にイギリスの動物学者であるヒルダ・ブルースによって発見され、彼女の名前にちなんで命名されました。
ブルース効果は、雌マウスが交尾相手ではない別の系統の雄マウスの尿や体臭にさらされることによって引き起こされます。この尿や体臭には、雌マウスの体内に流産を促進する物質が含まれていると考えられており、この物質は「Bruce factor」と呼ばれています。
Bruce factorは、雌マウスの胎盤に作用して、胎盤の血流を抑制し、胎児の成長を阻害します。これにより、胎児は栄養不足に陥り、流産に至ります。
ブルース効果は、妊娠している雌マウスの約60%に起こるといわれています。また、Bruce factorは、妊娠していない雌マウスにも作用し、発情期を促進する効果があります。
ブルース効果は、雌マウスの繁殖戦略の一環と考えられています。雌マウスは、交尾相手として優れた遺伝子を持つオスを選ぶことで、子孫の遺伝的多様性を高めることができます。ブルース効果は、雌マウスが交尾相手ではない別の系統の雄マウスと接触することで、交配を避けるように促す、一種の「妊娠中絶」のシステムと考えられています。
ブルース効果は、動物の世界では、他の動物種でも見られる現象です。例えば、ラット、ハムスター、モルモットなどでも、ブルース効果が報告されています。また、ブルース効果は、ヒトでも起こる可能性があると考えられています。ただし、ヒトでは、ブルース効果が起こったという明確な証拠はありません。
ブルース効果は、まだ完全に解明されていない現象ですが、今後の研究により、そのメカニズムや生態学的な意味などが明らかになることが期待されています。
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