心理学用語

ネオフォビア

ネオフォビア(neophobia)は、新しいものや未知のものに対する強い恐怖や不安を指す心理的な状態です。この言葉は、ギリシャ語の「ネオス(新しい)」と「フォボス(恐怖)」に由来しています。ネオフォビアは、特に新しい食べ物や新しい環境に対して見られることが多く、人間だけでなく動物にも観察されます。

人間において、ネオフォビアは主に以下のような状況で現れます:

食べ物のネオフォビア:新しい食べ物を試すことに対する抵抗感や恐怖感。特に子供に多く見られますが、大人でも経験することがあります。これは、進化的に見れば有害な食物を避けるための自然な反応とされています。

社会的・環境的ネオフォビア:新しい場所や状況、例えば新しい職場、学校、旅行先などに対する不安感。新しい環境に対する適応力が低い人は、強いストレスや不安を感じることがあります。

動物においても、ネオフォビアは生存戦略として機能します。未知の食物を避けることで、有毒なものを摂取するリスクを減らすことができます。例えば、ネズミは新しい餌を警戒し、少量ずつ試す傾向があります。

ネオフォビアは、一定の限度を超えると生活の質に影響を与える可能性があります。例えば、食べ物のネオフォビアが強すぎると栄養バランスが偏り、健康を害する恐れがあります。また、新しい経験を避けることが習慣化すると、社会的な孤立や成長の機会を逃すことにもなります。

このような場合、認知行動療法や段階的な暴露療法が有効です。少しずつ新しいものに慣れさせることで、ネオフォビアの症状を軽減することができます。カウンセリングや心理療法も、ネオフォビアに対する対処法として有効です。

ネオフォビアは、一見マイナスの側面が強いように見えますが、生物の生存にとって重要な役割を果たしてきた現象でもあります。その理解と適切な対処が、健全な生活と成長を促進する鍵となります。

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「ネオフォビア(しんきせいきょうふ)」の意味や使い方 わかりやすく解説 Weblio辞書


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