心理学用語

NIH症候群

NIH症候群(英: Not Invented Here syndrome)とは、ある組織や国が別の組織や国(あるいは文化圏)が発祥であることを理由にそのアイデアや製品を採用しない、あるいは採用したがらないこと。またその結果として既存のものとほぼ同一のものを自前で再開発すること。独自技術症候群と訳されることもある。

NIH症候群は、1960年代にアメリカの研究機関である国立衛生研究所(NIH)で最初に観察されたことからこの名前がついた。NIH症候群は、様々な組織や国で見られ、企業、政府機関、大学、研究機関など、あらゆる組織で発生する可能性がある。

NIH症候群の原因は、いくつか考えられているが、最も一般的な原因は、組織の独自性や自尊心を守ることにある。組織は、自社で開発した製品や技術が他社のものよりも優れていると信じており、他社の製品や技術を採用することで、自社の価値が低下すると考えてしまう。また、NIH症候群は、組織の閉鎖性や保守性にも起因する。組織は、外部からの情報を受け入れることを拒否し、自社のやり方に固執している。

NIH症候群は、組織にとって様々な問題を引き起こす可能性がある。まず、NIH症候群は、組織の効率を低下させる。組織は、既存の製品や技術を再開発するために時間と資源を浪費することになる。また、NIH症候群は、組織の革新性を阻害する。組織は、他社の製品や技術から学ぶことを拒否し、自社独自の技術に固執することになる。さらに、NIH症候群は、組織の競争力を低下させる。組織は、他社よりも優れた製品や技術を提供することができず、市場で競争力を失うことになる。

NIH症候群を克服するためには、組織の独自性や自尊心を守ることよりも、他社との協力を重視することが重要である。組織は、他社の製品や技術を積極的に採用し、学ぶことで、自社の技術を向上させることができる。また、組織は、外部からの情報を受け入れることで、新しいアイデアや技術を得ることができる。NIH症候群を克服することで、組織は効率を向上させ、革新性を高め、競争力を強化することができる。

参考URL:

MBA経営辞書「NIH症候群」 | GLOBIS学び放題×知見録


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